コロナ禍の不安にはカウンセリングの活用も 〜西野谷由美先生〜

心がすっきりしない人が増えている

2020年春、新型コロナウイルスの感染拡大により、私たちの生活は大きく変化しました。

普段は気に留めず、当たり前にあると思っていることが、当たり前ではないという厳しい現実に直面したように思います。実際に、職場での働き方やコミュニケーションの変化、家族との関わりの変化、趣味や楽しみの機会の減少といったことが起きました。

そんな状況のなか、コロナ禍への適応に苦慮する方や、「不安を感じているけれど、漠然としていてよくわからない」という方が多くいらっしゃいます。この状況に何とか対処しようと休養を取ったり、趣味を楽しもうとしたりと、ご自分なりに様々な工夫を試されてもすっきりしないという方もおられます。

大切な何かを見出すチャンスかも

心身の健康のためには規則正しい生活とバランスのよい食事、適度な運動を意識することは大切です。やはり、まずは健康的な生活を心がけたいものです。

その上で、漠然としていて掴みどころがないと感じる心の状態について、あれこれと考え、対話をしていくことで何か言葉にすることができるならば、大切な何かを見出すチャンスなのかもしれません。

「誰かに話してみよう」「自分なりに考えてみたい」などの思いがありましたら、カウンセリングを活用することも一つかと思います。

西野谷由美

Profile
資格/(財)日本臨床心理士資格認定協会臨床心理士
経歴/精神科病院、精神科・心療内科クリニック、スクールカウンセラー、乳幼児健診、EAP(従業員援助プログラム)など
専門分野/思春期、青年期以降に起こる心理的な問題(学校や職場への適応の問題、対人関係の問題など)
所属団体/日本心理臨床学会、日本精神分析学会